高校の頃、近所に健太というヤンキーがいた。
彼とは中学まで一緒だったが、高校には行かずブラブラしていた。
家の近くにヤンキーたちのたまり場があるのだが、ある日近くを通ると、ちょうど窓から顔を出していた健太に声をかけられた。
「ちょっと来いよ」
健太がニヤニヤしながら手招きする。
たまり場はヤンキー仲間の親が所有する倉庫で、普段は誰もいないので自然とヤンキーたちのたまり場になっていた。
あなたはここに来ないほうがいい
「こっちだ」
中に入るとさらに奥へ手招きする。
裏庭に出ると、そこに15、6歳くらいの少女がしゃがんでいた。
近くに目つきの悪い男が2人いたが、僕を見るとどこかに消えた。
少女は下を向いたままだ。
土がむき出しになった地面には、ところどころに黒いしみのような跡があった。
「昨日からこいつにフェラを仕込んでるんだ」
僕は耳を疑った。
こいつはものすごいことを事もなげに言う。
健太はポケットからタバコを取り出して僕にすすめたが、断ると自分で火をつけた。
少女は家出でもしたのだろうか。
いずれにせよ、こんな連中といるくらいだからろくなものではない。
色が白くほっそりした少女は、肩まで伸びた髪が櫛をとかし忘れたように乱れている。
頬が赤いのはビンタされた痕かもしれない。
「タカ、そいつも頼むよ」
タカと呼ばれた少女はしゃがんだまま僕の顔を見上げた。
目に生気がなくどんよりしている。
病み上がりのような顔だった。
「ズボンおろして」
少女は噛んでいたガムを紙に包んで捨てた。
「わかった」
言われたとおりにズボンとパンツをおろす。
少女にチンポを見つめられ、僕の心臓は早鐘のように打っていた。
「もっとこっち来て」
ズボンをおろしたまま少女に近寄る。
半立ちだったチンポがしだいに起き上がってきた。
「タカ、教えたとおりにやってみな」
健太は腕組みしてこっちを見ている。
少女は一瞬声のほうを振り返り、手を使わずにチンポの先をちゅるっと吸って口の中に入れた。
たちまち何かが背筋を駆け抜ける。
キスの経験もない僕にとって初めてのフェラチオは強烈だった。
口の粘膜に包まれるだけでいまにも射精しそうになる。
「お前、こういうの初めてか?」
僕は紅潮した顔でうなづく。
膝までズボンを下げてフェラチオされながら、かつてのクラスメートとどんな会話をすればいいのかわからない。
「そうか、よかったな」
健太はカカカと変な声で笑った。
先ほどの2人がドアから顔だけ出してヒューヒューとはやしたてる。
少女は僕の太ももを両手でつかんで咥えている。
経験のない僕にも、少女があまり慣れていないのがわかった。
初めはゆっくりと頭を前後に動かしていたが、太ももをつかむ手に力をこめて一気にスピードをあげた。
次の瞬間、
「あーっ、もうだめだあ!」
僕は情けない声を出して果てていた。
先ほどの2人がパチパチとまばらに拍手した。
少女は精液を吐き出すとポケットからガムを出して口に入れた。
地面の黒いしみは少女が吐き出した精液だった。
「気持ちよかったろ」
健太はまたカカカと笑った。
「見てたら俺もやりたくなった」
2人のうち背の高いほうの男がこちらにやってきた。
少女が男にうながされて立ちあがる。
男は壁に手をつけと指図してスカートをまくり上げる。
パンティを履いていない少女の真っ白な尻が僕の目に飛び込んできた。
男は少女の尻を撫でまわしていたが、ポケットからコンドームを取り出すとバックから挿入した。
他人のセックスを見るのは初めてだったが、なぜか少しも興奮しなかった。
少女はときおり「あっ」とか「やだ」とか発するだけで特に嫌がる様子もない。
男の尻がリズミカルに動いて淡々とセックスが続けられた。
その後、僕は何度か健太に呼ばれてたまり場に出かけた。
行けばたいていフェラしてもらえたからよろこんで行った。
少女ともしだいに打ち解けたが、自分のことは何も話さなかった。
「あなたはここに来ないほうがいい」
何度か目に行ったとき、少女がフェラチオしながら言った。
「どうして?」
少女はチンポを口から離し、
「あの人たちはあなたを仲間に入れるつもりだから気をつけて」
それだけ言うと少女はまたチンポを口に入れた。
もっと話を聞きたかったが、健太がいたのでそれ以上聞くことはできなかった。
それからしばらくして健太が傷害事件で逮捕されると、僕もたまり場に行くことはなくなった。
少女がどうなったのかもわからない。
初めのうちは少女のことばかり考えていたが、やがて僕にも彼女ができると、いつの間にか少女のことは思い出さなくなった。
初めまして、中野貴子と申します
僕が二十歳になった頃、1つ下の弟に彼女ができた。
僕は彼女ができたくらいで家族に話したりしないが、弟は何でも親に報告する。
弟の彼女のことを知った両親は喜んで、ぜひ家に連れて来いという話になった。
それから数日後、弟が彼女を連れて来た。
駅まで彼女を迎えに行った弟を両親と玄関で出迎える。
彼女を前に得意満面の弟の顔はいまでも忘れない。
「初めまして、中野貴子と申します」
丁寧にお辞儀をした彼女を見て僕は凍りついてしまった。
弟が連れてきた彼女は、あのたまり場にいた少女だった。
彼女は僕のことがわからなかったようだが、みんなでテーブルにつくと見る見る彼女の顔がこわばっていった。
母親の手作り料理を食べながら1時間ほど歓談する間、僕と貴子の視線は何度も絡み合っていた。
翌日、僕は貴子に電話をかけた。
「やっぱりかけてきた」
彼女は電話の向こうでおかしそうに笑った。
「弟の携帯を盗み見するなんてあきれたものね」
図星だった。
僕は弟が風呂に入った隙に携帯を見て貴子の電話番号を調べていた。
「でもこれでわかった」
「何が?」
「あなたは昔のことを弟さんにばらすもりはないってこと。ばらすなら、こっそり電話かけたりしないもんね」
貴子はまたフフフと笑った。
「近いうちにまた遊びに行くからそのとき話しましょう。お義兄さんこれからよろしくね」
貴子の笑い声とともに電話は切れた。
次の土曜日に貴子はやってきた。
今夜は泊まっていくという。
もちろん彼女が泊まるのは弟の部屋だ。
僕の部屋は弟の隣りなのでなかなか寝つけなかった。
ときおり小さな笑い声とベッドのきしむ音が聞こえてくる。
僕は硬くなったチンポを握りしめて、貴子の口の感触を思い出していた。
しばらくして僕の部屋をノックする音がした。
薄暗い廊下に貴子が立っている。
交尾したばかりのメスのフェロモンがむせ返るほどだ。
「どうしたんだ」
「あら、迷惑だった?」
「いや、そうじゃないけど」
「あの人は終わったらぐっすり眠るから平気」
貴子はペロッと舌を出した。
真夜中に弟の彼女とする会話ではなかった。
貴子を部屋に入れてベッドに並んで腰かける。
「随分悩んだみたいね」
僕の顔を覗き込んで笑った。
「当たり前だろ」
「私が弟さんの彼女じゃ迷惑?」
「そんなことないよ」
「よかった!」
貴子が肩を寄せてきた。
その肩を抱いて自然とキスしていた。
貴子には何度もフェラチオしてもらったが、キスは初めてだった。
ベッドに押し倒そうとすると、
「ちょっと待って、セックスはだめよ」
貴子はそう言ったが、言葉とは裏腹にチンポに触ってくる。
「こんなになってる」
「何とかしてよ」
「はー。弟の彼女に言うかな」
貴子はパジャマのズボンに手を突っ込んでチンポを引き出すとフェラチオを始めた。
じゅぶじゅぶといやらしい音が部屋の中に響く。
太ももをつかんで首を振るポーズはあのときのままだ。
目を閉じるとたまり場の光景が浮かんだ。
貴子はどうしてあそこにいたのか。
そして、あれからどうしたのか。
聞きたいことはたくさんあった。
まとめ

このまま貴子と秘密の関係を続けるのも悪くない。
彼女をベッドに寝かせると、弟の唾液が残る乳首を口に含みながらこれからのことを考えた。