出会い系サイトを利用する上で心配なのが性病。
「出会い系の女性は不特定多数の男性と関係を持っている」
「出会い系の女性はなんだんか性病も持ってそう」
そんなイメージを持つ人も多いようです。
結論から言うと、出会い系だから性病の確率が高いということはありません。
今回は出会い系と性病の関係、性病の種類、防ぎ方について解説します。
安心して出会い系を利用するために、正しい実態を理解しましょう。
出会い系の性病感染状況

「出会い系サイトに性病の子は多いのか」
これに関しては、はっきり、出会い系サイトだから多い、という根拠がありません。
性感染症感染者数の推移データ

このデータは平成11年から29年までの性病にかかった人たちをまとめたデータです。
このデータから分かるのは、20年間、「性病感染者数はあまり変わっていない」ことです。
平成11年から増えている性病もあれば減っている性病もあります。
爆発的に増えた数字はほとんど見られません。
梅毒のみ爆発的に増えていますが、これは出会い系サイト以外のさまざまな要因が絡みます。
出会い系サイトが原因なら梅毒だけではなく全体的に増えます。
これだけ出会い系サイトが普及しても平成11年から特に感染者数は増えていないのです。
出会い系の女性は男性を慎重に選んでいる

出会い系サイトの女性全員が不特定多数とセックスしているわけではありません。
女性にはストーカーや妊娠、性暴力というリスクがあります。
そのため、男性と会うことには非常に慎重です。
出会い系サイトの女性でも、一般の職場や学校の女性でも、ほとんど男性と関係を持たない人もいます。
出会い系サイトで不特定多数の男性と関係を持つような女性はごく一部しかいないのです。
出会い系であることと性病にかかりやすいことには、何の因果関係もありません。
出会い系サイトにいる女性についてもっと知りたい方は、出会い系の解説記事を参考にしてみてください。
出会い系に潜む性病のリスクは「援デリ業者」

セックスをする以上、どこでも性病のリスクを含んでいます。
ただし、出会い系特有の性病リスクを一つあげるとしたら「援デリ業者」の存在です。
援デリ業者は素人女性ではありません。
出会い系を利用して売春を持ちかける「プロの風俗嬢」です。
毎日不特定多数の男性と関係を持っているので、性病リスクは高いです。
この援デリ業者には注意しましょう。
援デリ業者について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参考ください。
性行為で感染しやすい病気

一括りに性病、といっても性行為で感染する性病にはたくさんの種類があります。
ここでは主な性病3種類とそのほかの性病を解説します。
①クラミジアの症状と治療
性病といえばこれ、というくらい性病全体で圧倒的に感染者割合が多いのがクラミジア。
セックス、フェラ、クンニ、アナルセックスといったほとんどの性的接触でうつります。
クラミジアにかかった女性と関係を持ったらまず防ぎようのない性病です。
性的な行為により、女性の性器・咽頭から男性の尿道に感染します。
新宿駅前クリニック
トイレ、風呂、銭湯などの間接的な接触が感染経路となることは、まずありません。
そのため、旦那としか性的な行為をしていない(身に覚えがない、心当たりがない)奥様にクラミジアに感染してしまい、浮気が発覚してしまうケースもあります。
1回の感染率は30%から50%ほどです。
クラミジアはクラミジア・トラコマティス菌に感染することで発症します。
- 男性・女性ともに感染しても症状が弱く、なかなか感染に気づかない
- 男性の約50%が無症状
- 気づかないうちに次々と別の人に感染させている可能性が高い病気
症状が出た場合、感染後1~3週間後くらいに以下のような症状が出ます。
- 尿道から膿が出る
- かゆみを感じる
- 排尿時に違和感、痛みを感じる
このような症状を感じたらクラミジアの可能性が高いです。
治療は抗生物質を1~2週間服用することで治癒します。
パートナーがいる場合は同時に感染している可能性が高いです。
彼女や奥さんがいる場合は二人そろって診察、治療をする必要があります。
②淋病の症状と治療
淋病も一般的な性病で、淋菌に感染すると発症します。
感染力が高く、クラミジアと併発することも多い病気です。
コンドームを使用しない性行為で感染します。
性行為での感染力は高いですが、フェラやクンニ、単純接触での感染力はそれほど強くありません。
性交渉なしでも、衛生管理が不十分な災害時に淋病が広がるケースもあるようです。
「集中豪雨などで上下水道が機能せず、衛生環境が悪化すれば、トリコモナスや淋病、毛じらみなどの性感染症が広がる恐れがある。実際、衛生状態が芳しくなかった終戦直後、山形の公衆浴場で少女84人が淋病に集団感染し、うち1人は失明してしまった。この少女たちは性交渉の経験はなかったが、性感染症はそれでもうつることがあるのです。衛生状態が悪化する災害時には、感染リスクが高まっても何らおかしくない」
日刊SPA!
男性が感染すると2~7日間の潜伏期間を経て、以下のような割とわかりやすい症状が出ます。
- 強い排尿痛
- 勃起痛
- 尿道から膿が大量に出る
このような症状が出たら淋病です。
治療は抗菌薬を3日ほど服用することで治癒します。
③ヘルペスの症状と治療
ヘルペスは単純ヘルペスウイルスに感染することで起こる性病です。
一度感染すると症状が治まっても、ウイルスがずっと体に残り続ける厄介な性病です。
感染者の抵抗力が弱くなると再び症状があらわれます。
そして生涯現れたり治まったりを繰り返します。
初めて症状があらわれた場合を初発といい、初めて感染した場合には初感染とよんで区別しています。
潜伏期間は5~10日です。(中略)
また、初発のあとで症状がでることを再発もしくは回帰発症といいます。
あおぞらクリニック
性器ヘルペスの6〜7割は再発なので、再発対策が重要になります。
性感染症の中でも女性は2番目、男性では3番目に多い性病です。
ゴムなしの性行為、フェラやクンニなどの粘膜同士の接触によって起こります。
また、体の表面に症状が出ている(ウイルスが多い)ときに分泌物に触れたり、タオルを共有することでも感染します。
感染してもほとんどの人はすぐに症状が出ません。
抵抗力が弱った時などに体の表面に以下のような症状が出ます。
- 口の周りにピリピリと痛むできものができる
- ペニスの周りに激しい痛みを伴う「ただれ」ができる
- 足の付け根のリンパ節が腫れて痛む
とにかく「ビリビリと痛い」症状が出たらヘルペスです。
症状が出たら抗ウイルス薬を服用して症状を抑えます。
ただし、根治はできません。
症状が治まってもウイルスは体の中に残っているからです。
疲れたり抵抗力が落ちるとまた再発します。
そのたびに薬を飲んで症状を抑えます。
④梅毒
梅毒とは、梅毒トレポネーマという病原体が粘膜や皮膚から侵入し感染する病気。
三大性病ももちろんですが、特に現在感染拡大が問題視されているのが梅毒です。
都内でも近年、梅毒の感染者数が爆発的に増加し、注意喚起が行われています。
国立感染症研究所によりますと、7月2日までのことし上半期に報告された梅毒の感染者数は、全国で7448人と去年の同じ時期の1.3倍となっています。
梅毒の感染者はここ数年増加が続き、去年は現在の方法で統計を取り始めた1999年以降最も多い1万3228人となりましたが、ことしはさらに速いペースとなっています。
NHK
全国的に感染拡大していますが、特に東京・大阪など都市部での感染ペースが高いそうです。
マッチングアプリ・SNSなど、不特定多数とのセックスが増えていることや、性風俗の検査不足など。
増加の理由には、さまざまな要因が考えられています。
3~6週間程度の潜伏期間を過ぎると、感染後の期間に応じて、以下のような症状が出やすいです。
- 陰部・口唇部などにしこりや腫瘍ができる
- 鼠径部のリンパ節が腫れる
- 手のひらや足の裏に赤い発疹が出る
感染初期は陰部・口元へのしこりや腫瘍。
感染後治療をせず、3ヶ月以上経過すると、手のひら・足の裏などに赤い発疹が出てきます。
治療するには、ペニシリン系の抗生物質を数週間~数ヶ月(症状・数値によって変動する)服用が必要です。
早期発見・早期治療ができれば完治させることが可能ですが、対応が遅れると症状が残る場合があります。
治療によって完治した場合でも、抗体ができる訳ではないため、同じ人が再感染することも。
常に予防を心がけて、少しでもあやしいと思ったら受診することが大切です。
⑤その他
クラミジア・淋病・ヘルペスは、「3大性病」と言われる性感染症です。
上記3つの性病や梅毒以外には、以下のような性病があります。
- コンジローマ
- エイズ(HIV)
- カンジダ
コンジローマは、簡単に言うと男性器にイボが出来る病気。
エイズはHIVというウイルスに感染しておこる病気で、他性病に感染して免疫力が低下している時だと、発症確率が高くなります。
性行為・血液から感染し、女性は母子感染も感染経路の一つです。
カンジダは女性と比べて男性の感染率が低い病気ですが、発症すると、排尿・性交時に痛みやかゆみが出る場合もあります。
三大性病と合わせて、これらの性病にも注意してください。
性病は放置しているとどんどん症状が悪化したり、プレイ相手に感染させたりしてしまいます。
少しでも異常があればすぐに検査を受けましょう。
性病を回避する方法

ここでは性病に感染するリスクをできる限り抑える方法を解説します。
セックスをする以上性病のリスクを0にすることはできません。
ですがリスクを減らすことはできます。
①コンドーム着用

必ず守ってほしいのがコンドームの着用です。
性病はフェラやクンニでも移るものがあるため、コンドームで100%防げるわけではありません。
それでも主な感染ルートが本番、性行為であることは間違いありません。
コンドームをすることが性病予防に一番効果的です。
特にHIVなどの重篤な性病は挿入時にうつることが多いので、それを防ぐためにも必須。
女性の中には「生でやってもいいよ」という人もいるかもしれません。
男性にとって魅力的で抗いがたい提案ですね。
ですが誘惑に負けずにしっかりとゴムを着用しましょう。
②援デリ・セミプロを避ける
出会い系では素人女性のふりをして、売春を持ちかける援デリ業者がいます。
援デリ業者は毎日多くの男性の相手をしている「プロの風俗嬢」です。
風俗嬢すべてが性病を持っているわけではありません。
ですが単純な確率でいえば、性病リスクは圧倒的に高くなります。
援デリ業者を利用するということは風俗店通いするのと一緒です。
性病予防という観点からは一番危険な行為です。
援デリ業者とは関わらないようにしましょう。
援デリ業者を避けたい方は、こちらの記事をぜひご覧ください。
③怪しいと思ったらやらない
性病を持っている女性の中にはわかりやすい性病の「症状」が出ている女性がいます。
- おりものが多い
- 白いカスが多い
- 臭いが強い
- できものがある
性病にかかっている女性全員に必ずこの症状がみられるわけではありません。
(※特にクラミジアは女性でも無症状が多い)
あくまで目安ですが、明らかな「異常」があった場合、セックスをせず、撤退する勇気も必要です。
性欲に負けて最後までヤってしまうと後々後悔します。
性病の検査方法

出会い系で不特定多数とセックスをする方は、症状がなくても月に1回ほど、定期検査を受けるようにしてください。
性病は、気づかない間に感染者を増やしてしまうことが多くあります。
自分の身を守るのと同時に性病をばらまかないためにも。
- 心当たりがある
- 気になる症状がある
- 性病になっていないか確認したい
こんな時はすぐに検査を受けましょう。
もし本当に性病にかかっていた場合、そのまま放置すると症状が悪化します。
悪化すると治りにくくなったり、慢性化する危険性が高いです。
特に出会い系で不特定多数の方と性行為する場合は、定期的な検査を推奨します。
出会い系での相手探しについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
方法① 病院で診察を受ける

性病の検査は「泌尿器科」です。
地域によっては「性病科」と堂々と掲げている所もありますので、どちらかで検査を受けてください。
費用は5,000円~12,000円くらいです。
気になる症状が出ていれば保険が効いて3割負担になります。
方法② 保健所で性病検査を受ける
費用が気になるとか、恥ずかしいという人は「保健所」で無料の性病検査を受け付けています。
ただし、病院と違って主要な性病(HIVやクラミジア)しかわかりません。
その他の性病に分類されるような、咽頭クラミジアなどは発見できないのです。
定期検査の場合は費用負担のない保健所を利用するといいでしょう。
方法③ 性病の検査キットを使う
性病の可能性がありそう……。
そう思っても、病院へ行くのには抵抗がある人も多いです。
- 時間がない
- 恥ずかしい
- 誰とも会いたくない
こういう方のためには市販の「検査キット」も売っています。

Amazonでも普通に売っていますよ。
検査したい病気によって違いますが、血液や尿などの簡単な方法で検体を採取し送るだけです。
ちょっとお高めなのと、時間がかかるのが難点ですが手軽で簡単な方法です。
まとめ

必要以上に性病を恐れて出会い系サイトを楽しめないなんてもったいないです。
大事なのはリスクをできる限り低くすることです。
出会い系サイトで性病を心配されている方にはっきり言っておきます。
出会い系サイトだから特別性病にかかるリスクが高いというわけではありません。
出会い系に限らず、男と女がいる限り、どこでも性病の危険性はあります。
セックスをする限り性病のリスクがゼロになることはありません。
もし気になる症状が出たら、病院や保健所、検査キットで検査するようにしましょう。