忘れもしない。大学2年の秋。
私はナンパで童貞卒業という普通では考えられない経験をした。
「そんなことできるのか?」
と思う人が大半だろう。この話は本当の話だ。
童貞卒業はナンパを始めてから1ヶ月後。それは10月だった。
当時19歳だった私は、11月にハタチの誕生日を迎える。
「やらはた(ヤラずにハタチ)」になるかどうかの瀬戸際だった。
ナンパで結果を出すのはナンパを始めてから半年ぐらいが一般的である。
たった1ヶ月で結果が出たのは、毎週末欠かさず街に出たこと。
そして、ただタイミングが良かっただけかもしれない。
さて今回は、ナンパで童貞を卒業した話をしたいと思う。
今日も天神地下街でナンパに明け暮れる
私は福岡に住んでいる。
ナンパは博多や天神を中心にやっていた。
天神では渡辺通り、ソラリアステージ前、警固公園などが有名なナンパスポット。
そして実は天神地下街も有名だ。
天神地下街は長い1本道の通路が2本通っていて、両脇にはお店が立ち並ぶ。
福岡市地下鉄と直結しているため人通りが多く、声がかけやすい。
私はこの地下街をメインのナンパスポットにしている。
そしてその日も地下街を中心にナンパ仲間のPと合流してナンパしていた。
私は1か月前にナンパを始めたばかりだ。
最初は地蔵(※)になりやすくなっている。
※ナンパ用語で女性に声をかけられずに立ちすくむこと
そのため、Pに指名してもらいながらナンパをやっていた。
ちなみに、初ナンパの『童貞がナンパ師2人とナンパに挑戦した体験談』でも、ナンパ師の人に指名をもらったりコンビナンパをしたりしている。
その日は5人ほどに声をかけたが、無視されたり、冷たい反応ばかりだった。
「まぁ、最初はこんなもんだ…。」
と思いながらも、やはり無視されるのはきつい。
だんだんとテンションも下がり、笑顔で話しかけるのもつらくなってくる。
しかし6人目に反応が良い子が現れた。10分ほど楽しく会話ができた。
残念ながら彼女は用事があって連れ出せなかった。連絡先交換も警戒したため断られた。
それでも10分ほど楽しく会話できたことで自信を取り戻し、笑顔でどんどん声をかけにいった。
目を真っ赤に充血させた女の子に声をかける
ちょうどナンパを始めて、1時間ほど経った頃であろうか。
身長150cmぐらいの清楚な服装を着た子が私の目の前を通り過ぎて行った。
その子はKちゃんという名前だった。
Kちゃんは美人というよりは可愛い系、たれ目で優しそうな顔つき。
笑った時に八重歯が出るのが特徴的だった。
私はKちゃんが気になって目線をやると、なんとKちゃんの目は真っ赤に充血していて泣いたようだった。
その光景が気になり、私はKちゃんに声をかける。
「こんにちは、なんで泣いてるん?」
そうKちゃんに尋ねると、涙を浮かべながらKちゃんは答える。
「彼氏に今さっきフラれたんだよね、辛くて泣いてたんだよ。」
「あ、そんな時に声かけてしまってごめんな。」
「いいよ、気晴らしになるし。」
そう言ってくれたので、少し突っ込んでフラれた経緯を聞いてみた。
どうも半年ぐらい付き合ったが、一方的に彼氏から別れを切り出されたそうだ。
それにその前から浮気をしている疑いがあったらしい。
こういった状況の時は誰かに話を聞いてほしかったり、辛さを忘れて遊びたい子が多い。
考え方はクズだが、連れ出しや連絡先交換に応じやすいのだ。
私はKちゃんと10分ほど世間話をして、連れ出し打診をした。
しかしKちゃんはこのあと用事があるとのこと。
なので後日、遊ぶ約束をして連絡先の交換をした。
私はナンパを始めて間もないので、連絡先交換は2~3回程度しかしたことがない。
こんなにすんなり交換できたのは初めてだった。
本当にうれしかったのを覚えている。
連絡先を交換したKちゃんをカラオケに誘ってみる
翌日の昼頃にKちゃんにメールを送ってみた。
ナンパだとメールを送っても返ってこないことが多い。
が、Kちゃんは違った。
メールを送って10分後に返信が来たのだ。
私は携帯が震えた瞬間速攻で手にとって興奮した。
実はナンパした相手からメールの返信が来たのは初めてだった。
「ナンパって本当にできるんだな…。」
と感動に浸っていたが、ここで失敗してはいけないので気持ちを落ち着かせた。
幸いKちゃんとはメールの相性がいいようで、話題には困らず楽しくメールできた。
Kちゃんとやりとりを始めて1週間ほど経った時に、Kちゃんがカラオケに行きたいと言い出した。
「これは誘ってほしいというサインだ。」
と私は思い、思い切って土曜日にカラオケに誘ってみた。
Kちゃんはその誘いにのってくれて、土曜日にカラオケに行くことになった。
童貞卒業するための作戦
私はカラオケだけで終わらせるつもりはなかった。
こんなチャンスは二度とない。童貞も卒業してやろうと意気込んでいた。
そこでナンパを教えてくれたBさんに相談し、デートでのスキンシップの手順を教えてもらった。
- 手や指を触る
- 肩に手を回す
- キスをしながらおっぱいを揉む
これがスキンシップに持ち込む王道らしい。
そこで私はスキンシップからホテルまでの作戦を立てた。
- カラオケで1時間ほど歌った後にトイレに行く
- 戻ったときに流れでKちゃんの横に座ってスキンシップをとる
- 良い雰囲気になったらカラオケを出て、近くのラブホテルに連れて行く
流れとしては完璧だ。
この作戦がスムーズにいくように、待ち合わせも天神ではなく、ラブホテルに近い中洲のシダックスにした。
デート当日。中洲川端駅で待ち合わせ
13時、中洲川端駅。
いよいよ当日となった。
さすがに待ち合わせに遅刻するわけにはいかない。15分ほど早めに着いた。
どうやってスキンシップしようか、どうやってホテルへ連れて行こうか。
そんなことで頭の中がいっぱいだった。
落ち着け、落ち着け…。
ここまで来たら焦っても仕方ない。あまり考えずに流れのままで行こう。
13時15分ぐらいになると、Kちゃんが現れた。
ナンパした時とは違い、少しオシャレになっていた。
気合いを入れてきたのかな?
そんな服装を見ながら、今日はチャンスかもしれないと心の中でほくそ笑んだ。
カラオケでの攻防

カラオケ店に着いて、店員に利用時間を尋ねられる。
1時間後にスキンシップすることを考え、2時間にした。
店員に部屋に案内され、飲み物を頼んでカラオケが始まった。
いよいよ、エッチに向けての攻防が始まる。
ひとまずカラオケに専念しよう。
Kちゃんの歌声を聴いたが上手すぎる。絶対音感を持ってるらしい。
カラオケはすっかり主導権をとられてしまった。
しかしこんな所であきらめる私ではない。
カラオケが始まってちょうど1時間ぐらい経った。
私は作戦通りトイレに向かう。
トイレから戻ってきて、自然とKちゃんの横に座った。
拒否されるそぶりがない。
「Kちゃんと話したい」
と言って、Kちゃんに歌うのをやめてもらった。
そして世間話をしながら、スキンシップのタイミングをうかがう。
そしたら、Kちゃんが指輪をはめているのに気づいた。
指輪を見せてもらいながら、さりげなくKちゃんの手を握る。
Kちゃんは恥ずかしそうな顔をした。
が、拒否はない。
そこで今度はすかさずKちゃんの肩に手を回す。
いきなりだったのでびっくりしていたが、拒否感はなく逆に頭をこちらに傾けてきた。
そのまま10分ほど会話しながら、次はキスだと私は考える。
しかし童貞の私はハードルが高すぎる。
ナンパよりも緊張していた。汗をかきまくっていた。
心臓の鼓動は高鳴り、何も考えられなくなる。
「ここでビビってしまったら、今までの努力が無駄になる…。」
私は自分を奮い立たせる。
タイミングを計ってKちゃんのほっぺにキスをした。
Kちゃんはびっくりした様子だった。
そしてそのままKちゃんの唇にキス。
今までキスをしたことがなかったが、こんなにやわらかいものなんだと驚いた。
達成感があふれ出し、心の中が満たされる不思議な感覚だった。
最初はフレンチキス。そして徐々に舌を絡ませたディープキス。
お互いの息遣いが荒々しくなる。
このままではここで最後までしてしまいそうだった。
そこで私は言った。
「場所を変えない?」
Kちゃんがうなづいた。私たちはカラオケを出た。
ラブホテルでついに童貞卒業
カラオケを出た後にキャナルシティの近くにある5th HOTELに向かった。
事前に調べていたオシャレなホテルだ。
ホテルへ向かう際中、Kちゃんに手を差し出すと手を握ってくれた。
もう恋人のようだった。
手を握ったままホテルへと歩いていく。
ナンパで童貞卒業の優越感が全身を駆け巡る。
その辺に歩いている男よりも勝っている気分になった。
ホテルに着いてどの部屋にしようか悩んだ。
やはり童貞卒業というめでたいことだったので、一番高い部屋にした。
部屋に入ると、カラオケの続きのようにキスをして、そのままベッドイン。
そして私は童貞を卒業した。
最後に
いかがだったろうか。
これが私がナンパで童貞を卒業したときの話だ。
緊張しまくりのデートだったが無事成功した。
くじけそうな時でもあきらめないこと。ビビらずに何でもやってみること。
私はこの経験からそんなことを学んだ。
Kちゃんとはこの後1年ほど付き合った。
私を男にしてくれたKちゃんには今でも感謝している。