2013年頃からJKビジネスに興味を持ち始め、今年で早5年。当ブログ管理人の黒猫シュウジです。
今までJKビジネスに関する数々の本を読んできて、今後の僕の人生でどう役立てればよいかわからない、JKビジネスに関する知識がめちゃくちゃつきました。
そして、JKビジネスの事件がニュースであがるたびに、的外れな意見をするコメンテーター、感情論でしか語れない人権活動家、そしてそれに流されるネット住民の書き込みを見ていると、イラ立ちを覚えざるをえません。
JKビジネスの何も知らないバカが、何をハナクソ垂れたことを言ってんだ、と。
そこで今回は、JKビジネスを語る上で、これだけは絶対に読んでおくべき6冊を紹介します。
① 制服少女たちの選択
- 書籍名:制服少女たちの選択
- 著者:宮台真司
- 発売日:1994年11月(2006年6月に座談会を収録した増補版を出版)
まず紹介すべきは、やはりこの人。90年代の援助交際専門家と評された社会学者の宮台真司氏です。
宮台氏が書いた数ある援交関連の本の中でも「制服少女たちの選択」は代表作といえます。
宮台氏の本は難しい専門用語が散りばめられていることが多いですが、この本はわりと読みやすい方です。
時代は90年代初頭の援交ブームが流行ったときの話。なので、JKやJKビジネスといった言葉が生まれるもっと前の話です。
著者の宮台氏が援交する女子高生の実態を調べるため、自らテレクラに通い詰め、援交ブームの背景を理論社会学を用いて本質を解いています。
今から20年以上も前の話ですが、当時でもイチゴ(1万5千)などの援交で使われる隠語が出てきて新鮮に感じます。
一番興味深かったところは、「女子高生は性的なのに、性的であってはいけない身体」という社会通念や学校教育こそが、女子高生を淫靡で危険な存在、ひいては女子高生ブランドの強化につながっていることです。
この本を読むと、そんな援交ブームの裏にある社会の矛盾やおかしさに色々と気付かされます。
初版では、女子高生の援交肯定論を唱えていた宮台氏でしたが、増補版では、援交少女のその後のメンヘラ率の高さを見て、中立の姿勢に戻ったのがなんとも考え深いです。
また、宮台氏の「世紀末の作法」も当時の援交ブームを知るにはおすすめです。
同時代のブルセラブームの実態を知るには、ルポライターの藤井良樹氏の「女子高生はなぜ下着を売ったのか?」を読むのをおすすめします。
② マジックミラーの中の女子高生 〜JKビジネス開業から逮捕まで〜
- 書籍名:マジックミラーの中の女子高生
- 著者:横浜マンボー
- 発売日:2015年9月
2つ目に紹介する本は、時代が一気に飛んで2010年、JKビジネスを世の中に生み出した男、横浜マンボー氏の書いた「マジックミラーの中の女子高生」です。
著者の横浜マンボー氏は、2010年に日本で初めてJK見学店をつくった人物。
この本は、横浜マンボー氏が作ったJK見学店の開業から逮捕に至るまでの経緯や想いが赤裸々に書かれています。実録のドキュメンタリーを読んでいるようです。
彼が生み出していった数々のJK見学店は、やがて女子高生を売り物にした総称、そしてこの後世間の大きな注目を浴びることになった「JKビジネス」という言葉を誕生させてしまいます。
そんなグレーゾーンなJKビジネスを始めてはすぐに警察に摘発され、また新しい切り口で開店しては、またすぐに摘発される、といった警察とのイタチごっこが描かれています。
警察はどういったプロセスを経て逮捕にいたるのか、逮捕後どういった処遇や尋問を受けるのか、などの裏側の話も書かれていて情報として貴重です。
一番の読みどころは、彼が生み出したJKビジネスの新形態であるJK作業所(JK折り紙)は、「女子高生に仕事をさせているから有害業務じゃない」といった警察の言い分を突いた巧妙なロジックで対立するところです。
今の世の中は、折り紙を折りながら女子高生がパンチラする商売は許されないけれど、AKBを代表とする女子高生アイドルが、舞台でパンチラしたり、雑誌の表紙で水着グラビアを飾る商売はなぜか許されています。
JKビジネスは社会の穴を突いたビジネスですが、この本を通じて、社会ルールの曖昧さを感じます。
この本の書評は以前にも記事に書いてのでご参考ください。
③ 女子高生の裏社会 〜「関係性の貧困」に生きる少女たち〜
- 書籍名:女子高生の裏社会
- 著者:仁藤夢乃
- 発売日: 2014年8月
さて、3つ目に紹介する本は、僕の嫌いな人権活動家の仁藤夢乃氏が書いた「女子高生の裏社会」です。
2012年〜2013年頃の秋葉原を中心としたJKビジネスに巻き込まれる女子高生に焦点を当てた本です。
この時代は、JKビジネス戦国時代とでもいうべきでしょうか。今はなき、アンダー(18歳未満の女子高生)がJKリフレにいた時代の話です。
JKビジネスを始めた女子高生の多くは、極端にお金に困っている子ではなく、ごく普通の女子高生。
彼女たちに居場所を与えるスカウト、オーナー、店長の三者が、JKビジネスという闇の世界に引き込んでいくのかがわかります。
またこの本では、JKビジネスをやっていた女の子が絶対的な被害者であるとし、買う男に対しては教育が必要だ、と痛烈に批判をしています。
仁藤氏の立ち位置的に、女子高生側にひどく肩入れしているため、JKビジネスを問題視するうえでの客観性に欠けますが、唯一良かった点を挙げるとすれば、「関係性の貧困」という言葉です。
学校や家族で居場所のない少女たちが、こういったアングラな世界にやってくるわけで、そんな思春期の悩みと援助交際は密接なつながりにあることを感じます。
なお、「秋葉原の路上に立っている女子高生はみんな立ちんぼをしている」といった、事実と乖離する描写も含まれており、当時のJKビジネスの実態を表すデータや参考文献して扱うときには注意が必要です。
この本の書評は以前にも記事に書いてのでご参考ください。
④ 女子高生ビジネスの内幕
- 書籍名:女子高生ビジネスの内幕
- 著者:井川楊枝
- 発売日: 2016年2月
4つ目に紹介する本は、小説家、脚本家の井川楊枝氏の書いた「女子高生ビジネスの内幕」です。
2010年から2015年頃にかけての、アンダー店を中心としたJKビジネスの変遷を辿れる本です。
著者の井川氏がJKビジネス店に潜入し、そこで働く女子高生たちにインタビューをしています。
なかには、若干16歳の子が月80万もの大金を稼いでいたのには驚きです。
JKビジネスで身体を売っている少女たちの多くが、生活に苦しい貧困少女ではなく、自分の物欲のため、自らの意思でオヤジをちょろまかして、大金を稼いでいます。
読んでいて興味深かったのは、今のJKビジネスは、90年代の援交ブームと比較して、女性高生の「萌え」が商品としてパッケージ化されており、JKビジネスとアイドル産業の成長曲線が酷似している、と深く分析しているところです。
女子高生の商品化という意味では両者とも同じてすが、決定的に違うのは世間からのラベリングです。
アイドル産業は、AKBが国民的アイドルグループと言われる通り、「芸能」という枠組みで市民権を得られています。
それに対してJKビジネスは、いかがわしい悪の存在として、世間から強い非難を浴びており、国や警察が潰しやすいのです。
つまり、JKビジネス店が潰されるかどうかは、世間の風潮や空気感で決まってしまう、ということです。
そして言い換えれば、メディアの伝え方一つで物事が動いてしまうということに問題を感じました。
ちなみに、この本の中で登場する「渋谷ギャラクシー」や「池袋GU探検隊」は、このブログにも書いているのでご参照ください。
⑤ サラリーマンより稼ぐ女子高生たち 〜JKビジネスのすべて〜
- 書籍名:サラリーマンより稼ぐ女子高生たち
- 著者:高木瑞穂
- 発売日: 2016年8月
5つ目に紹介する本は、雑誌記者でもあるフリーライターの高木瑞穂氏の書いた「サラリーマンより稼ぐ女子高生たち」です。
この本では、著者の高木氏が長きの取材に渡りJKビジネスの実態を書いたルポルタージュです。
井川氏の「女子高生ビジネスの内幕」と同様、現場取材を通じ、JKビジネスの知られざる実態を明らかにした一冊です。
JKビジネスに関する規制や事件が時系列で整理されており、90年代のブルセラ時代から、2000年以降のJKビジネスの変遷を学ぶ資料として大いに役立ちます。
著者の高木氏は、JKビジネスの生みの親と言われる横浜マンボー氏と、もともと面識があり、2010年に横浜マンボー氏がつくったJK見学店が生まれた経緯も書いています。
このあたりは、横浜マンボー氏の「マジックミラーの中の女子高生」と合わせて読むと、色々とつながるところがあって面白いです。
この本の中で登場する、援交少女たちは、遊ぶお金を欲しさに、自らの意思でJKビジネスに踏み込んでおり、被害者という意識を持っていません。
また、買う側の男たちは、JKじゃないと興奮しない、というかなり生々しい声も載せています。
世の中の人たちが目を背けていた、見たくない現実をガツンと突きつけてやった、そんな著者の高木氏のパワーを感じました。
また、ネット上でJKビジネス界を賑わす、合法JKナビやJKリフレ嬢あるあるの正体にも迫っています。
こちらは以前書いた以下の記事と合わせて読むと、背景的な理解がより深まるかと思います。
⑥ 見えない買春の現場 〜「JKビジネス」のリアル〜
- 書籍名:見えない買春の現場
- 著者:坂爪真吾
- 発売日: 2017年2月
最後に紹介する本が、性や風俗の福祉活動をするホワイトハンズ代表の坂爪真吾氏の「見えない買春の現場」です。
この本は、売る側に着目した仁藤氏の本「女子高生の裏社会」とは逆で、買う側の男に着目した本になります。
JKを買う男は「気持ち悪いから悪だ」といった二元論、感情論でしか語れない残念な人たちや、「児童買春」「援助交際」といった人の感情を掻き立てるだけのメディアの報道のあり方を痛烈に批判しています。
「児童買春の問題はどこにあるのか?」を明らかにするため、今まであまりスポットライトを浴びることのなかった「JKを買う男」を深く掘り下げて分析しています。
著者の坂爪氏の結論として「JKを買う男はモンスターではない、どこにでもいる普通の人間だ」という買春評論では珍しい、新しい見方とメッセージ性が込められています。
読んでいて印象に残ったのは「プロJK」という言葉です。
今のJKリフレは、条例が厳しくったので、現役の女子高生を雇うことができませんが、年齢的にも容姿的にも女子高生を近い女の子が揃っています。
この本では、そんな彼女たちのことを「プロJK」という言葉で表現しています。
JKリフレに行く客は「10代の社会経験のない子であれば自分の都合に合わせて支配できる」と思っている人が多いです。
なので、プロJKは、無垢な女子高生を意識して接客しているのです。
18、19歳のJKリフレで働く女の子とJKリフレに通う中年男性は、精神年齢がちょうど釣り合うらしく、女の子を支配しようと思ってきた客よりも、そこで働く10代の女の子の方が一枚も二枚も上手なんじゃないかと思ってしまいます。
最後に
いかがだったでしょうか。
JKビジネスを語るのに、絶対に読んでおくべき必読書をまとめました。
これらの本を読んでいて、僕が率直に思ったのは、法律や条例で買う側も売る側を色々と縛ってきたけど、結局は今も昔も何も変わってないじゃんか、という一言に尽きます。
おそらくその理由は、買う側と売る側だけの問題で片付けられがちだけど、彼ら彼女らのことを高みからふわふわと取り囲む様々な連中―、組織や団体、メディアが自らの利潤や恩恵のために力を働かせているからです。
そんな惑星のようにふわふわ飛んでいる気持ち悪い人たちの手によって、まわっているのがJKビジネス、というわけです。
ふわふわ。ふわふわ。