風俗によく行く人ならパネルマジック、通称パネマジに一度は引っかかった経験があるのではないだろうか。
パネマジとはホームページの写真とは似て似つかない女性がやってくるやつです。
本当に芸術的なマジック。まさに魔法使いの存在を信じる他ない。
読者から「デリヘルでパネマジに引っかかった話」を寄稿いただいた。
そこで今回は、読者の体験した恐怖のパネマジ体験談を紹介する。
性欲が爆発した金曜日の帰り道
その日は金曜日だったと記憶している。
平日の5連勤を終えて、くたびれた身体が路線バスに揺られる。
24歳の社会人2年目という若さで、かれこれ1週間くらい自慰行為はしていなかった。
その週は仕事に忙殺されていたのだ。
悪夢のような5日間から解放された僕の頭に、ふと、ある考えが浮かぶ。
そうだ、風俗に行こう。
しかし、そのとき僕は既に家路を目指すバスに揺られていた。
今から引き返して繁華街まで向かうのも気が引ける。
もう面倒だから今日は諦めるか。
だがその時、これまで思いもしなかった考えが隕石のごとく頭を直撃して、脳内にクレーターを作ってしまった。
そうだ。家にデリヘル呼べばいいんじゃない?
我ながら天晴れなアイデアである。
その瞬間から、とてつもない興奮に僕は倒れそうになった。
わけの分からない衝動で手足が少し痺れてくる。
一刻も早くバスを降りて、店舗に電話を掛けたかった。もどかしくて仕方なかった。
このときはまだ、後に未曾有の大災害が起こることも知らずに。
川崎の人妻系デリヘル店に決めた
それからバスを降りるまでの間、僕は必死になってデリヘル型の風俗店の評価を比較しまくった。
ただただひたすらサイトを縦断しまくったためにスマホの充電が切れそうになったが、なんとか電話するまでは残っていてくれと切に願いながら指を動かす。
ほどなくして、バスを降りた僕は焦って電話をかけた。
家からもそれほど距離はない川崎にあるデリヘルに決めたのだ。
郊外にあるため値段が安いし、サイトにはそこそこ綺麗な人妻が揃っていた。
もう即決である。
すぐに僕は電話をかけた。
時間はあまりかからず、愛想の良くない兄ちゃんが電話を取る。
指名と時間と住所と、それから濃厚サービスを希望すると伝えた。
「みんな濃厚サービスですよ」
と兄ちゃんは小声で僕に返す。
その言葉に満足して電話を切ると、僕は軽やかな足取りで家に帰ったのだった。
世界でいちばん長い夜
家に帰ってから、約束の時間までは2時間ほどある。
デリヘルの仕組みにそれほど詳しくない僕は、とりあえずシャワーを浴びて、みそぎをおこなった。
これでも、まだまだ時間はある。
手持ち無沙汰に本を読もうとしたが、とても手につかない。
何もしないのでは長すぎるが、何かをするにしては短い時間だった。
それはまるで人生のようだった。
そうしてやったこともない瞑想に耽っていると、いつのまにか1時間ほど経っている。
ドキドキが止まらなくなってきた。
それからの僕は、勝手口にあるインターホンの前に待機していた。
どんな感じでデリヘルの彼女はインターホンの前に現れるのだろうか。
想像が膨らみすぎて、それだけで自慰行為できそうだった。
僕はどうにかしてしまったのかもしれない。
ただ、それでもよかった。
僕の目当ての人妻が来てくれれば、あとはもうどうだっていいのだ。
何かがおかしい夜
約束の時間から10分過ぎた。
おかしい。誰も来る気配がない。
デリヘルに電話で問い合わせると、もう間も無く到着するということだった。
あの愛想の悪い兄ちゃんだ。
その言葉を信じて根気よく待つことにする。
それから1時間が経った。
おかしい。誰も来る気配がない。
またデリヘルに電話で問い合わせると、もう間も無く到着するとのことだった。
電話は、またあの愛想の悪い兄ちゃんだ。
今となってはこのあたりで気がつくべきだったのかもしれない。
「この店、やばいやつじゃない?」と。
けれど、まだこの時は期待が脳内を支配していた。
とんだお花畑野郎だったのだ。
頭で考えることなどできなかった。
僕にはひたすら待つことしかできない。
ついに来た人妻
2時間ほど待っただろうか。
インターホンが突然鳴った。
びっくりしすぎて、僕は床に崩れ落ちそうになったが、なんとか持ち堪えて画面を覗き込んだ。
画面の中には、おっちゃんがいた。
「別件の人か?」
そう思って出てみると、デリヘルの運転手ということだった。
先払いの料金を受け取りに来たという。
なるほど、先払いね。
何も疑問に思わないで、僕はお金を渡すことにした。
デリヘル未経験だと思われて、相手にナメられてはいけない。
常連感を装って、余裕を醸し出すことにしていた。
ほどなくすると、もう一度インターホンが鳴った。
次こそは、次こそは、嬢に決まっている。
期待に胸を膨らませた僕が画面を除くと、そこには初老の女性がこちらを睨んでいた。
「ん……?何が起こっているのだ?今度こそ、別件の人か……?」
そう感じざるを得なかった。
とりあえずは、呼びかけに応じてドアを開けると、初老は指名したデリヘルの彼女の名前を名乗っているではないか。
パネマジという言葉が脳裏によぎった瞬間、血の気が一気に引いたのを覚えている。
まだ玄関にあげていないこの段階で、チェンジと叫ぶのが得策だったのかもしれない。
しかし、当時の僕の心境を少しでも想像してみて欲しい。
そんな名案が浮かぶほど、僕は冷静じゃなかった。
パネマジ女のために気さくな人を演じる僕
部屋にあげて明るみに出た彼女は、まさしく初老そのものだった。
サイトの彼女とは、ふた周りほど年齢が離れているようだった。
彼女は黙ってこちらを訝しげにじっと眺めている。
そんな目で僕を見つめないでほしい。
気が動転しきっていた僕は、気さくな態度をとることに努めた。
彼女の機嫌を損ねてはいけない。なぜかそれが最優先事項のように思えた。
「夜遅くにごめんね!」とか「遠かったでしょ?」とか言って、目の前の女性を必死に労うと、彼女は笑って応えた。
早くこの時間が過ぎ去って欲しい。泣きたくなってきた。
性的サービスとか要らないから、お話だけで帰ってくれないかな。15,000円のお話し料。
キャバクラとかの方がよっぽど良かったかもな。
しかしながら、サービスを拒否するのも失礼だと感じた僕は、彼女の言うがままにシャワーを一緒に浴びて、そしてベッドへと向かった。
何が起きているのか、あまり考えないようにすることが最善策だった。
地獄のひととき
ベッドに横になってからは、彼女から断りもなくローションを股間に塗りたくられて、触られたり、口に含められたりした。
キスはやんわりと拒否した。それでも彼女の機嫌は損なわれなかったようである。
僕は心底、安心した。
そのうち、あまりにもあっさりと僕は果ててしまった。
これには自分でも不思議だった。これで終わりだ。
時計をみると、あと半分ほど時間が残っていた。
まだこんなに残っているのか。頭が痛くなった。
時空の歪みを疑ったがそれとなく退出を促すことで、なんとか早めに帰ってもらえることに成功した。
初老も自分が求められていないことに少しは感づいたのかもしれない。
彼女が出て行った玄関のドアが閉まるのを確認すると僕は床に崩れ落ちた。
ミッション終了の達成感のみが僕の全身を駆け巡った。
パネマジに引っかからないポイント
読者からのパネマジ体験談はいかがだっただろうか。
最後にパネマジに引っかからないポイントを述べておこう。
- 郊外のデリヘルでレビュー数が少なく、価格が安い店舗は辞めた方がいい
- 家にデリヘルを呼ぶとチェンジのシステムが使いにくいのでホテルを選ぶべき
- 人妻系の風俗店でモザイク多めな店舗は間違いなくパネマジ必至なので避けるべき
上記の3点に注意したとしても、パネマジを絶対に回避できるわけではない。
とはいえ、少しは回避率を高められるだろう。
特にレビュー数が少ないデリヘルには警戒心を抱いた方が良い。
私も店を選ぶ時には「カクブツ」などのサイトを利用している。
『カクブツのライト会員の感想レポート』でも紹介しているが、カクブツにはお得な会員制度もあるので、ぜひ登録も検討してみてほしい。
まとめ
風俗に長く通っていれば、誰しも一度はパネマジに引っかかるものだ。
もしパネマジ女性が現れた場合には、誠実に話をしてみてはどうだろうか。
意外に可愛い反応が返ってくるかもしれない。
頭を吹っ切って、この状況下を楽しむ心の余裕が風俗遊びには必要だと思うんだ。