私は大学時代から4年間程、水商売風俗のスカウトとして働いていた。
一口にスカウトと言っても、所属する会社によって条件が様々である。
複数のスカウト会社で働いてきた経験をふまえ、今回は『スカウト会社の選び方』を書いていく。
スカウト会社とは
はじめに、スカウト会社とは一体どんなことをする会社なのか。
スカウトは女の子を水商売のお店に紹介することで紹介料を報酬として得る。
ただ、お店は誰からの紹介でも受け入れる訳ではない。
そこでスカウト会社が必要なのだ。
スカウト会社の仕組み
スカウト会社は、紹介するお店と契約を結んでいる。
お店は女の子を紹介してもらうにあたり必要な情報をスカウト会社に伝える。
具体的には、
- 店の雰囲気
- 客層
- 時給
- 採用条件
- 採用したい女の子の雰囲気
といった内容だ。
これらの情報はスカウト会社からスカウトに提供され、その情報をもとにスカウトは女の子を紹介する。
紹介した女の子がお店で働くと、報酬が発生する。
スカウト会社の報酬
発生した報酬は、
お店⇛スカウト会社⇛スカウト
といった流れで支払われる。
その際、会社の取り分を引かれた額が手取りとなる。
例えば
10万円の報酬がお店からスカウト会社に支払われる
その内4万円が会社の取り分なら、スカウトには残った6万円が入る
これがスカウトの手取りだ
自分が紹介したにも関わらずそんなに会社に取られるのか、と思うかもしれない。
が、スカウト会社が介在していないとそもそもお店に女の子を紹介することはできない。
また、お店への請求から集金といったお金のやり取りも会社がやってくれるため、支払われないといった不安はない。
ケツ持ちのためにもスカウト会社は必要
更に、水商売で働くには、いわゆるケツ持ちが必要だ。
ケツ持ちとは、要するにその土地を管轄しているヤクザである。
ヤクザへ上納金を収めないと、その土地で水商売をすることはできない。
ヤクザへの上納金は月に最低でも数百万は必要なため、個人では難しいだろう。
スカウト会社は上述した報酬の取り分から捻出しているのだ。
スカウト会社を選ぶポイント
では実際に、スカウト会社を選ぶ上で、良い会社と悪い会社をどのように見分ければいいのか。
選ぶポイントを書いていく。
ポイント① 紹介できる店舗が多い
まず、紹介できる店舗が多いことである。
数店から数十店舗では女の子の様々な希望に対応が難しい。
最低でも100店舗以上は紹介できるのが望ましい。
紹介可能な店舗が少ないと女の子の希望が叶えられない
会社が紹介可能な店舗がスカウトが紹介できる店舗である。
紹介できる店舗が少ないと、せっかく女の子がお店を探していても希望のお店を見つけられない。
希望のお店を見つけられないと、他のスカウトに紹介されてしまい、報酬が発生しない。
どんなに苦労して女の子に声をかけて連絡先を交換してもタダ働きである。
紹介店舗だけではなく業種も幅広い会社を選ぶ
また、店舗だけでなく業種も幅広く紹介できることが重要である。
キャバクラだけ、風俗だけ、と紹介できる業種が限定されていると、女の子の希望のお店を見つけるのは難しい。
以下の職種は最低でも紹介したい職種だ。
- キャバクラ
- セクシーキャバクラ
- ガールズバー
- ヘルス
- ソープ
この他にもAVやSMクラブを紹介できると女の子の幅広い希望に対応できる。
風俗やっている子なんて少ないのでは…と思うかもしれないが、道で声をかけていると、風俗経験者やお店を探している子は多い。
ポイント② 声かけできる場所が多い
次に、声かけできる場所の多さである。
これはスカウト会社というよりスカウト会社が上納金を払っているケツ持ちによって異なる。
声かけできる場所はケツ持ちによって変わる
同じ地域でも、ヤクザ(ケツ持ち)は複数の組が存在している。
あまり力を持っていないヤクザに上納金を収めている小さな会社の場合、スカウトで声かけできる場所が限られる。
いわゆる「シマ」だ。
他のヤクザの管轄しているシマで声をかけることはご法度だからだ。
シマを守らないと争いになることも
自分が以前在籍していた会社は、六本木はどこでも自由に声かけができた。
一方で池袋や新宿では声かけできる場所はかなり限られていた。
池袋は駅周辺や駅の中は禁じられており、駅から10分以上離れなた場所でないと声かけは控えるように言われていた。
池袋の地下で可愛い子が歩いており思わず声かけした時、池袋のスカウトに怒鳴られたことがある。
「お前らどこの会社だ?」と言われ、自分の会社が池袋にシマがないことを知っていたためその場は謝罪して終わった。
ケツ持ちの規模によってスカウト範囲が変わる
また、新宿では逆に駅前のライオン広場と区役所通りのみ声かけすることができた。
ケツ持ちが規模の大きなヤクザの場合、土地ごとの制限がないケースもある。
六本木ならどこでもOKといった具合である。
もちろん、最低限のマナーとしてお店の目の前での声かけはおこなってはいけない。
ポイント③ 紹介料の会社とスカウト個人の分配が適切
次に、紹介料の分配率である。
上述したように、お店から支払われる紹介料は会社に支払われ、その後各スカウトに支払われる。
その割合が低いと、稼げる額も当然減ってしまう。
目安だが最低でも6割はスカウトがもらえる会社を選ぶといいだろう。
ポイント④ 実力に応じて紹介料の分配率が上がる仕組みになっている
次に、実力に応じて紹介料の分配率が上がる仕組みになっているか、という点である。
最初の分配率が低い理由
上述したように、スカウトの取り分は多ければ多いほうが稼げる。
ただ、スカウト会社としても一定取り分がないとケツ持ちへの上納金が出来ない。
また、スカウトは向き不向きが人によって極端に出るため、すぐに辞めてしまう人が多い。
辞めてしまう人に取り分の多くを取られてしまっては会社としても継続が困難になってしまう。
分配率が上がる仕組み
このような状況に対応するため、スカウト会社によっては成績に応じて分配率が上がる仕組みを採用しているところがある。
例えば、5人入店させるまでは5割、10人入店させれば6割、といった形で成果に応じて割合が変わる仕組みである。
これにより、スカウト会社もすぐに辞めてしまうスカウトに多く報酬を払う必要がなくなる。
逆に継続して成果を出せるスカウトに報酬を多く払えるため、優秀なスカウトが自社に残る仕組みになる。
スカウト会社とスカウト双方にとってよい仕組みである。
ポイント⑤ チームを持つことができる
最後に、チームを持つことができるか、という点である。
一般的な企業と同様、スカウトも会社である。
会社である以上、プレイヤー層とマネジメント層が分かれる。
要は、自分でスカウトをするのではなく、スカウトできる人材をマネジメントする、ということだ。
チームマネジメントすれば取り分の一部をゲットできる
マネジメントして自分のチームを持ち、自分のチーム内のスカウトがお店に紹介することで、会社の取り分の一部を獲得できる。
例えば、10万円お店から会社に支払われる。
その内3万が会社の取り分。
1万がマネージメント担当の取り分、6万が実際に紹介したスカウトの取り分といった形である。
一人あたりの額は小さいかもしれないが、チームを拡大していけばなかなかの収入だ。
自分は実際に道で声かけすることなく、不労所得を積み重ねることができる。
スカウト会社に入る時には必ずポイントを確認する
このように、スカウト会社を選ぶためのポイントは複数ある。
スカウト会社に入る際、報酬発生の仕組みや紹介できるお店など。
本記事で説明している内容は説明されることが多い。
全てを説明されない場合であっても、聞けば答えてくれるだろう。
スカウト会社はスカウトの獲得には必死なため、具体的な数字まで聞き出した上で検討しよう。
詳細を聞いた上で別の会社に話を聞きにいってみるのもおすすめだ。
ただ、会社に入った後に移籍するのは難しい。
次は移籍についての注意点を書いていく。
スカウト会社は移籍が大変
スカウト会社で働くにあたり注意点がある。
それは、スカウト会社に一度在籍した場合、他の会社に移ることはリスクがあるということだ。
六本木スカウト会社からの移籍体験談
私は、最初六本木のスカウト会社に在籍していた。
はじめはスカウトという仕事の面白さに夢中で働いていたが、経験を積んでくると水商売の知人が多くなる。
水商売の知人が多くなると、他のスカウト会社の話を聞くことも出てくる。
ある時、知り合った知人から他のスカウト会社の話を聞いた。
その会社では、スカウトとスカウト会社の取り分が最大で8割まで成績に応じて上がると聞いた。
また、紹介できるお店の業種、店舗数ともにスカウト会社トップクラスをほこっているという。
私が在籍していた六本木のスカウト会社は紹介できる店舗が少なく、会社との分配も5割だった。
悩んだ末、私は会社を移籍した。
元々いた会社から受ける、移籍の洗礼…
移籍した先の会社では歓迎された。
スカウトはすぐに辞める人が多いため、経験者は歓迎されるのだ。
ある時、六本木のキャバクラで働きたい女の子がいたため女の子とともに六本木へ向かった。
無事面接も済まし、事務所のある新宿にもどっている道中、知らない番号から電話がかかってきた。
電話に出ると、荒々しい声で「お前誰の許可とって六本木歩いてんだ。次見かけたら殺すぞ」と言われた。
以前在籍していた六本木の会社のケツ持ちだったのである。
移籍した会社に相談して対処してもらう
怖くなった私は、移籍先の会社のマネジメント層の人間に相談をした。
その後、会社の上層部に話が行き、移籍先の会社のケツ持ちと六本木の会社のケツ持ち同士が会話してなんとか事態は収束。
幸いにも、移籍先の会社のケツ持ちの方が力関係が強く、六本木の会社のケツ持ちが引いたようだった。
私の場合は移籍先の会社のケツ持ちが強かったため大事にはいたらなかったが、もし逆だったらと考えると恐ろしいことである。
このように、会社の移籍は大きなリスクが伴う。
今回書いてきた内容を参考に、移籍する必要がない良い会社で働くのがよいだろう。
まとめ
今回は、スカウト会社を選ぶ際のポイントについて書いてきた。
スカウト会社は移籍にリスクを伴う。
できれば、一度入ったら移籍しなくて済むような、良い会社を選ぶのが良いだろう。
実際にスカウト会社で働こうとしている方は是非参考にしていただきたい。