その日、筆者は疲れていた。
溜まりに溜まった仕事を「やってられるか!」と切り上げ、上野駅に降り立ったのが9月13日の16時頃の事である。
目的はお馴染みの上野仲町通り。
(若くて可愛い女の子と談笑したい…)
身も心も疲弊していた筆者は、その純粋ながらもぼんやりとした思いを胸に、夕暮れ前のナイトスポットへ繰り出したのだ。
1軒目:まるで場末のスナック…上野のセクキャバ『clubくのいち』

clubくのいちは閉店しました。
女の子と飲めてちょっとだけイチャイチャ出来るお店ならありますよ
仲町通りの入り口は、上野駅から南進、中央通りからスイーツ店「ABAB」を挟んで反対側、ちょうどTSUTAYAとサンクスの間に存在し、多くの飲食店と風俗店が軒を連ねている。
その日は日曜日かつ夕方の早い時間という事もあり、
(キャバクラはやってないだろうな…)
(でも風俗って気分じゃないしな…)
と迷いながら看板を物色していた。
自身のニーズを明確に把握していない状態…これが最大のミスだと後に思い知る事となる。
仲町通りをブラブラと歩いていると、案の定キャッチからちょくちょく声を掛けられた。
「今日は何をお探しですか?」
「オッパイいかがですか?」
そんな中、比較的真摯な態度の若いお兄ちゃんに話し掛けられ、足を止めてしまった筆者。
黒服「何かお探しですか?少し遊んでいきませんか?」
筆者「この時間はどんな系統の店があるの?」
黒服「キャバクラは日曜の早い時間なのでどこもやってませんね」
黒服「セクキャバやピンサロなら…いかがですか?可愛い子揃ってますよ」
筆者「キャバは無いんだ…女の子と飲みたいだけだから抜きは要らないよ。イチャイチャもあんまり」
黒服「それなら、女の子と飲めてちょっとだけイチャイチャ出来るお店ならオススメありますよ」
(やっぱりキャバはやってないのか…まぁ、女の子と飲めればいいか)
筆者「じゃ、行こうかな。いくら?言っとくけど抜き無しだから!風俗は行かないからね!」
黒服「はいはい、40分7,000円です」
筆者「高い。無理」
黒服「では、40分6,000円で頑張りますんで…」
日曜の夕方である。
冷静に考えたら、もっと安くなるはずなのだ。
しかし、疲労困憊の心と体は「癒し」を求めていた。
(若くて可愛い女の子と楽しく話したい…)
そんな強い想いから、キャッチとのやり取りもそこそこに妥結してしまった。
そして案内されたのが地雷店1軒目、『clubくのいち』である。
あまりにもしつこい追加オプション攻撃に、テンションは下がる一方
外観は赤を基調とした『くのいち』のデカイ看板が目立つ。
そのまま同店の黒服に引き渡される筆者。
まずは入り口で6,000円を支払う。
パネル指名なども出来るようだが、今回はフリー。
飲み物を聞かれ、少々時間が掛かるとの事で待合室へ移動。
まずここが狭い。
待合室に居たのはいかついおじ様(客)だったが、すれ違うのもつらいほど狭いのだ。
程なく店内の黒服に呼ばれ、ブースへ移動。
この時点で筆者のニーズとマッチしていない感が漂い始める。
オフィス内をパーテーションで仕切ったようなブースに、申し訳程度の机(灰皿とグラスを置いただけで埋まる)と2人掛けソファーがあるのみ。
更にここで5分ほど待たされる。
『なんだか気分が乗らないなぁ』と思い始めた頃…
「お待たせ~」
35歳~40歳と思しきお姉さまが登場。
熟女好きな方には申し訳ないが、筆者は若い子が好きだ。
若ければ、多少ブサイクでも愛嬌でごまかせる時もある。
しかし、お世辞にも綺麗とは言えず、くたびれた場末のスナックに居そうな印象の嬢が登場したのだ。
当然ながら、この時点で『ハズレだ…』とテンションダダ下がりになってしまう。
(まぁいいか…女と楽しく酒飲めるなら一応はクリアだな)
そう思い直して会話をスタートすると…程なくして
「今日はどうする?私も飲んでいい?追加料金で触ってもいいよ?どこまでしたい?」
(はぁ?)
筆者は多少混乱していた。
ここは、いわゆる「いちゃキャバ」ではないのか?
下品な嬢から、まるでJK店の裏オプのような勧誘を受けるハメになろうとは…。
「えーっと…意味分かんないんだけど。俺は飲みに来たんだけど」
「飲むだけの人なんていないよー。みんな追加料金でしたいコトするよー。スッキリして行く人も多いよ」
「ねぇ、触っていい?アソコ見たいなー」
もう完全に趣旨から逸脱している。
嬢のうざいテンションを掻い潜りながら聞いてみると、どうやらこの店は「抜きオプションがある、セクキャバのようなピンサロのようなお店」という事だった。
そもそも、上野にはフラ系のピンサロ『アイドリング』がある。
また、おっぱいを触りたいなら、上野の『吉原』や『大江戸』等、一定クオリティのセクキャバもある。
都内には、巨乳美人が一生懸命に抜いてくれる店がいくらでもあるのだ。
が、『clubくのいち』はコンセプトがイマイチ分からない。
しかも嬢が低クオリティときた。
ここでようやく気付いたのだ、“地雷店”である…と。
あまりにもしつこい追加オプション攻撃に、筆者のテンションは下がる一方。
なんだか、この店に来てしまったこと自体が申し訳なくなってきた。
『もういいや…』とドリンクだけは飲んで頂いたが…2,000円、高すぎである。
大して面白くない話を可愛くない嬢と続けていると、退店時間。
筆者はそそくさと店を後にした。
clubくのいちの総括
黒服からは40分と聞いていたが、若干時短だった気がしないでもない。
なお、後ほどHPを見てみると、筆者が訪問した時間帯の料金は40分4,000円…微妙にボッタとも言える。
これぞまさに「踏んだり蹴ったり」である。
ちなみに、隣のブースからはペッティング音とバキューム音が聞こえてきた。
自身のニーズにマッチした客も居るのだろう。
『自分には合わなかった、ただそれだけの事だ…』と無理やり納得させる筆者であった。
2軒目:「タケノコ剥ぎ」と悪評!上野のイチャイチャ倶楽部『エンジェルぱい』

可愛い女の子との会話を求めた結果、1軒目は見事に“地雷店”を踏んでしまった筆者。
しかし、これで話は終わらない…。
エンジェルぱいは閉店しました。
『口直しにもう1軒…』という思いを断ち切れず
テンションダダ下がりに加えて、明らかな不満顔をしていたのだろう。
『clubくのいち』を出るなり、新たな刺客キャッチが声を掛けてきた。
黒服「お兄さん!もう1軒!いかがですか!満足させますよ!」
筆者「いやー、乗り気じゃないね。そもそもね、今の店が求めてたモノと違ったのよ。飲みなんだよ、今日は」
黒服「女の子と楽しく飲みたいんですね!それなら!いいお店がありますよ!やりますよ!」
(やけにテンション高いな…ウザイ…)
黒服はダウナー(落ち込み)気味の筆者を上手く誘導し、脇道へ案内する。
こういう時、明確な意思を持っていない人間は誠に弱い。
『口直しにもう1軒…』という思いを断ち切れなくなってしまったのだ。
筆者「そこまで言うなら!」
なぜか黒服に引きずられてテンション回復。
こうして連れて行かれたのが、くのいちのすぐ傍(そば)、イチャイチャ倶楽部『エンジェルぱい』である。
結論から申し上げると、ここも地雷店であった。
後ほどネットで調べてみると、同店の評判はすこぶる悪かったのだ。
くのいちと同様、40分6,000円という金額は決して安くなかったが、これに異を唱えず入店。
なお、店舗は2階にあり、店員の態度は良くない。
風俗界の定年年齢を実感した瞬間である
通されたのはいわゆるキャバクラ風の席。
ソファーが並べられており、複数人でも飲めそうな印象。
くのいちよりは筆者のニーズに近そうだ。
ただし、なぜか通路側にカーテンが掛けられていて、外側から見えないようになっている。
つまり…なんだか怪しいのだ。
そうこうしているうちに嬢が到着。
「お待たせ~!」
やたらハイテンションでカーテンをくぐって来たのは、35歳前後のややポッチャリな嬢。
醜悪な外見ではないものの、可愛いかと聞かれたら強く疑問を感じるレベルである。
まずは焼酎を飲みながら雑談開始。
「今日は飲んで来たの?」
「それがさ、1軒行ったけど、自分のニーズとマッチしてなくて…」
「ただ女の子と飲みたかっただけなんだけど、追加オプションで抜きもあるような感じで…」
筆者の愚痴を頷きながら聞く嬢。
しかし、嬢の口から驚愕の事実が。
「ここも飲むだけの人もいるけど、色々できる所なんだよ。ほら、カーテンあるから外から見えないし」
(えー!?)
あろうことか、くのいちと全く同じコンセプトの店だったのだ。
嬢の説明によると、セクキャバとピンサロの合体Verの店であり、やはり追加料金が発生するとの事。
もはや潜入目的でオプションの相場を聞くのも煩わしくなってきた筆者は、頑なに追加オプションを拒否。
上がり掛けていたテンションが、地の底まで落ちていくのを感じたのだった。
ちなみに、嬢は吉原のソープ上がり。
箱ヘルを経由し、同店に勤務しているとの事。
若い頃はそれなりに人気があったのかもしれないが、歳を取るにつれ、段々と場末の店へ流れて行ったのだろう。
風俗界の定年年齢を実感した瞬間である。
何とも居たたまれない気分になったので、ドリンクだけは飲んで頂いた。
やはり2,000円…高いのだが、『これは自分への戒め』である。
結局、この日は総額16,000円を使い、上野を後にしたのだった。
エンジェルぱい総括
『clubくのいち』、『エンジェルぱい』共に、筆者が当て所もなく夜の街をフラつき、キャッチに付いて行った事から起きた失態である。
明確なニーズを持たず、事前リサーチを怠り、毅然とした交渉も行わなかった。
全て自身の至らなさが招いた結果だ。
同2店舗を愛用している方がいるかもしれないので、あまり過剰に否定はしないつもりだ。
嬢にも罪は無かろう。
しかしながら、読者の皆様には注意喚起が必要なレベルだと感じた為、恥を覚悟でこの記事を書かせて頂いた。
複数人でキャバクラへ行き、自分だけ豚嬢が付いた…。
有名ピンサロ店にフリーで入ったら、猪八戒が出て来た…。
そういった夜遊びの醍醐味、ネタにもなる地雷感覚とは明確に違うのだ。
抜きならピンサロやヘルス、ソープを利用すればいい。
年上の嬢が好みなら、大塚なども悪くない。
イチャイチャしたいならセクキャバへ行けばいい。
熟女を売りにする店もある。
通常、お触り料金は入店時の支払いに含まれている。
この2店舗はハイブリッド店であり、女の子と飲みつつムラムラしたらその場で抜ける…と言えば聞こえはいいものの、非常に中途半端かつ高コスト、おまけに低クオリティの嬢が来るのだ。
これは十分に問題提起の余地があると言える。
エンジェルぱいに至っては、ネット上では「タケノコ剥ぎ」として悪名高い店のようだ。
それが事実なのだから、もはや擁護の余地は無い。
ちなみに、嬢の名前はもはや聞いてもいない為、お伝え出来ない。
まとめ

今回は、私の憤った1日をご紹介した。
そもそも「抜きは要らない」と言っているのに、抜き店へ連れて行くキャッチ達は頂けない。
そのような客引き行為は、結果的に客足を繁華街から遠退かせるだけであり、時には不幸な事件を生んでしまう。
賢明なる読者の皆様には(あくまで個人的な意見だが)全くオススメしない2店である。
同2店の看板は、上野御徒町・広小路の風俗街エリアにいくつも存在する。
くれぐれも、筆者のようにフラフラと迷い込まない事を願うばかりだ…。