私は過去に裏DVDの販売人をしていました。
このシリーズでは、裏DVD販売の裏側や実際にあった出来事について紹介していきます。
今回の記事では、ある程度売れ行きが伸びてきた頃のことを中心に書きました。
アングラ職業の裏側みたいな感じで、読み物として楽しんでください。
チャプター9.値下げでバカ売れ
この当時、「裏DVD販売」でGoogleモバイル検索すると、確か5位まで位置づけていました。
以前も書きましたが、当時のGoogleモバイルは3位までが1ページ目に表示されていました。
そしてうちは2ページ目の上から2つ目。
うちの上には、1枚500円で販売しているサイトがあったのです。
「このライバル店のせいで売れ行きがイマイチなのでは?」とボスと相談していました。
まだスタッフはボスと新人君と僕の3人だけです。
もちろん値下げはカンフル剤。
二度と値を700円に戻せないことも分かっていました。
海外のレンタルサーバーから悲鳴が上がる
そこで、期間限定で
「特別価格500円」
ということにしました。
一応期間限定セールなんですが、これ以降「クリスマスセール」などの場合を除いて、この500円が固定価格になりました。
DVD代や電気代、雑費などの経費を差し引いても1枚50円以下の原価(人件費は除く)。
まだ大丈夫です。
全ての商品の値段変更はとても大変な作業です。
もっと簡単に出来るショッピングカートを使っている人もいるかもしれませんが、CSVで一度吐き出し、一気に値段を変更。
そしてまたアップロードという地味な作業。
データをCSVで出力できるようにしていなかったものですから、まずそこから始めました。
ちなみに、裏DVDを1枚100円台で販売しているサイトもありましたが、あまりにも薄利多売すぎます。
本当は順位や売り上げなどを全てPCに暗号化保存していました。
ガサが入る前に全て削除してしまったのが残念でなりません。
さて、話を戻します。
既に購入済みのお客にメールも送りました。
何故ならばボスが、
「今までのお客にも教えなきゃ不公平だなあ!」
などと意外な発言をしたからです。
このメールを既に購入している数百人に送ったところ、アクセス数が鰻上り。
翌日アメリカのレンタルサーバーから、
「今のままではムリだからプランアップしてくれ。じゃなきゃアカウント停止するぞ。ちなみに専用サーバーは日本円で7万ぐらいだから。為替は自分で計算してくれ。24時間以内にしろ」
とメールが来た程です。
この手続きにも苦労しました。
なんせ架空名義の身分証明書が必要だったり、ボス宅にスキャナーが無かったり…。

自分達がサーバーにアクセス出来ない程です。
「503エラー」ばかりが返ってきました。
メールサーバー・FTPサーバー共に接続がとても不安定な状態。
お客からは「注文は確定したのか?」とのお問い合わせもあるのですが、送受信がほとんど出来ないくらいのアクセス数でした。
週2回の更新作業で月給80万以上
あなたも経験があるかもしれませんが、何か商品を選ぶ時にはサイト内をグルグル回って選びませんか?
裏DVDと言えど、好みの作品を探し終えてから、少なくとも10枚以上は購入されます。
購入商品を決めるのにどうしてもサイト内を巡回するため、更にアクセスが増えるのです。
サーバーのログを見てみると、1人で平均数十ページは見ています。
『出来るだけお客様に沢山のページを見て貰えるような作りにする』
これは普通のネットショップも同じだと思います。
離脱率や離脱ページを時々監視しながら、サイト内を強固にしていました。
値下げしてからはバカ売れ状態。
とてもDVD焼きが間に合いません。
「焼くのが忙しくて寝られない」
ボスの嬉しい悲鳴が聞こえてきました。
その時期にスタッフも増員し、合計5人体制(臨時含む)での販売となったのです。
5人になるのはもっと後の話ですが。
僕は週2回の更新作業で月給80万以上。
他のスタッフは月給30万ほど。
ボスは軽く数百を超えています。
給料日などは決まっていません。
ボスが思いついた時に下ろして不定期に配ってくれます。
10日に一度くらいでした。
分け前の文句は言いません。
そういう約束でしたから。
人が増えるとPCやデュプリケーター、LAN等の設定も必要です。
電源不足になり、コンセントも増強しました。
デュプリケーターは完全に自作です。
これだけ注文が多くなると、色々なミスも出てきます。
配送ミス、焼けていない(または生焼け)DVDの送付。
盤面印刷タイトルと中身を間違える。
郵便局による伝票印刷の遅れ。
プリンターの寿命がとてつもなく短くなったり、HDDの故障、OS同士の相性などなど…。
他社はどうやって盤面印刷を行っているのでしょう?
また、データ管理はどうしているのでしょう?
知りたくてたまりませんでした。
あまり横の繋がりが無い世界なので…。
次回は「イタズラ注文」を書いてみたいと思います。
チャプター10.イタズラ注文
裏DVDサイトの運営が軌道に乗ってくると、ぼちぼちとイタズラ注文が増え始めました。
多い時には数百枚ほどイタズラ注文が来ます。
違法な「無修正DVD」を扱っていると、どうしても避けては通れない道だと思います。
イタズラ注文は宛先が嘘であることが多く、お金になりません。
また、返送された商品の回収も結構な手間がかかります。
商品の配送元は『“ガサ入れ部屋”の確保』で書いた、あの1号機がある一室です。
あまりにイタズラ注文が続くと、その対処で腹が立ってきますし、労力も使います。
基本的に商品の配送は代引きです。
これは今でも変わっていないようで、現役の裏DVDショップ様も苦労されていると思います。
ゆうパックの代引きには追跡番号があるので、それでお客が受け取ったかどうかを調べていました。
宛先人が不明な場合、ガサ入れ部屋に戻ってきます。
返送されてきたら、不在票を持って郵便局に取りに行っていました。
郵便局が開封するかどうかは分かりませんが、『開封はされたくない』と思いながら。
住所の有無をチェックするも、局留めは対処不可能
それ以降、まずお客の住所と地図を検索して、該当住所の有無をチェックするようにしました。
PCが使えないボスには大変な作業です。
もちろん嘘の住所には送りません。
大量に注文するお客の場合は、先にゆうちょに振り込んで貰うことにしました。
常習者のイタズラ注文は確定しないようにしました。
「IPは変更できるでしょ?」って思うかもしれませんが、幸いにもその人はマンションなのか、僕達が摘発されるまでIPは同じままでした。
サーバーにアクセスログが残るので分かります。
ちなみに、最終的には「htaccess」で同業他社に自動転送していました。
しかし、局留めに関しては何も出来ません。
保存期間が過ぎると返送されてきますが、指定住所が郵便局なので、これだけはどうにもなりません。
携帯で「裏DVD」と検索してみれば分かるのですが、大手はログインしなければ注文が出来ないようになっています。
スマホは「個体識別番号」をごまかすアプリがあるようなので、どう対処しているんでしょうか?
逆に言えば、イタズラ注文をする人は、そこまでの手間はかけないのかもしれません。
会員登録システムを作ればイタズラ注文は減るでしょうが、当店ではそんなことはしませんでした。
ボスに伝えるのがイヤだったのと、僕の作業が増えるからです。
それに、確実に注文が減ります。
『イタズラ注文が減る=正規のお客様も減る』
これは間違いありません。
この頃にはYahoo!もGoogleでも、ほぼ3位前後を維持していました。
何度も書きましたが、Googleモバイルでは3位までの表示が必須です。
特に携帯電話で2ページ目の4位以下になると、売り上げがガクンと落ちます。
合法サイトならば、イタズラに対して法的な対処も可能でしょうが、裏DVDサイトでは警察に相談も出来ません。
これを読んだからといって、現役の裏DVDサイトでイタズラ注文はしないで下さいね。
とても嫌がるでしょうから。
次回は「裏DVDの仕入れの大変さ」を書こうと思います。
チャプター11.仕入れの苦労
当店での裏DVDの仕入れは、他社の安いところを利用して購入していました。
盤面印刷のデータは専門業者から購入したり、ググッて画像を集めていました。

他社でまとめ買いやセット買いをすると、どうしても困るのが商品のダブリ……。
1日に約40枚前後も無修正DVDを見ていると、
『アレ?これ見たことがあるシーンだな…』
そう思って自サイトでタイトル検索すると、やはりあります。
ダブってしまったら、途中までにキャプチャしたシーンなどを全て削除します。
キャプチャだけは半自動ではなく手作業です。
それよりも、1枚の裏DVDがムダになってしまうことの方が痛かった…。
酷い時には100枚中20枚もダブる
あまりにダブリが多いとお客様の信頼が落ちてしまうので、まず自サイトでタイトル検索してから注文するようにしていました。
多い時だと、1度に200枚は仕入れます。
週2回の更新で320枚は入れることが出来ますが、そればかりに時間を取られるわけにもいきません。
Yahoo!検索の「裏DVD販売」で1位になる努力、Yahoo!モバイルの上位表示も行う必要がありました。
初めて仕入れが100枚を超えた時は、あまりの無修正DVDの量に驚きました。
毎回毎回、自分名義で購入していたわけではありません。
当時同棲していた彼女と交互に注文をしていました。
もし僕の名前で続けて購入していても、きっと相手は『同業者だな』と思う程度でしょう。
彼女の名前を使う時は、もちろん局留めです。
彼女は中身が何か知らないまま、仕事帰りに受け取って帰って来ていました。
しかし、薄々は感づいていたと思います。
ダブリは酷い時には100枚中20枚もありました。
常連が増えてくると、『この人も同業者では?』と思えることもありましたが、同業者だろうと何だろうと、同じお客様です。
同じタイトルならば自サイト内で検索すれば分かるのですが、困るのは「タイトルが違うのに中身は同じ」というケースです。
一応、女優名(出演者名)でも検索できるようにしていました。
仕入れ先と自サイトのキャプチャ画像のチェックもしていました。
仕入れ先のタイトルが違っている時もありました。
これもGoogle様のお陰で、本当のタイトルを調べて入力していました。
それに、他社でもダブったタイトルは結構あるもので…。
また、仕入れの基準にはハッキリと「僕の好み」が出ます。
陵辱モノが好きなので、どうしてもレイプ系の作品が多くなっていました。
コレは致し方ない。
だって、同じキャプチャ画像を作るために見るなら、自分好みの演出の方がいいでしょう?
他社の仕入れるスピードが月に約120枚。
最終的には、自サイトも同じくらいになっていました。
それでも、過去の古い作品をガンガン仕入れていました。
全ては商品数を増やすためです。
裏DVDの仕入れは、“ダブリ商品との戦い”だったわけです。
商品数を増やしたがために、ちょっとしたトラブルも起きます。
それは次回に書きたいと思います。
チャプター12.商品数の増加でサーバーストップ
数千タイトルも商品があると、裏DVDを紹介するキャプチャ画像が鬼のような数になります。
サーバーにFTPでアクセスしてみると、読み込みに時間がかかり始めました。
それに、サーバー転送量が半端じゃなく増加してしまっています。
これでは、またレンタルサーバーから「お叱り」を受けてしまいそうなので、数千枚のキャプチャ画像の容量を全て縮小することにしました。
これだけの商品数になるとは思っておらず、何も考えずに画像をアップロードしていたツケです。
「縮小専用」ツールにぶち込んで一気に縮小していたのですが、この間はPCを画像処理に独占されて他の作業が出来ない状態に…。
マシンパワーもある方だったのですが…。
もちろん縮小するだけではなく、縮小した画像を全てアップロードしなければなりません。
結局、半日がかりの作業となりました。
注文が無くてヒマだね
そうこうして終わった後、レンタルサーバー会社から「お叱り」のメールが届きました。
「おいおい、お前のプランではそれ以上転送できないぜ。プランを上げてくれ」
もうタッチの差、おまけに英語…本当にエキサイト翻訳様様です。
仕方なくボスに電話すると、「しゃあない」とのこと。
逮捕役名義のクレカで契約を変更しました。
すると、またもやレンサバ会社からメールが。
「このプランにするには、身分証のコピーとこれを記入してメールで返送してね。24時間以内に返信しないとサーバー停止するから、よろ」
これには参りました。
早速ボスに電話します。
「逮捕役の名義人の身分証が要るそうです。それをスキャナでキャプチャして、僕に送って下さい」
するとボスがこう言いました。
「キャプチャ?」
すっかり忘れていました。
ボスがスキャナを持っていないことを。
そして、僕の家にはFAXが無いことを。
それでも時間は24時間しかありません。
そこで、
「免許証をコピーして僕の会社にFAXで送って下さい」
と伝えました。
ここまでは良かったのですが、「名義人に連絡がつかない…」との電話が入りました。
どうやら、仕事か何かで遠方に行っているようなのです。
逮捕役になったくらいですから、お金にも困っているハズ。
『夜逃げでもしたんじゃないのか??』と一瞬よぎりました。
連絡が取れ、手元に免許証のコピーが届いたのは3日後の夜。
それも郵送です。
レンタルサーバーの契約書まできっちり書いています。
この郵送された契約書が、後でちょっとした問題になるとは知らず…。
この時点で軽く24時間オーバー。
もちろんサーバーはストップ。
今までにもサーバーを止められた事があるので、想定の範囲内です。
当裏DVD販売サイトも見ることが出来ません。
メールも送受信不可です。
お客に「配送しました」というメールすら送れません。
この3日間で、軽く数十万の売り上げを逃しました。
ボスは「注文が無くてヒマだね」などと気楽なもの…。
「いやいや、サーバー止まってますから」と伝えても平気なお顔。
注文が無いのは別にいいんです。
しかし、サイトが表示されなければSEO的に良くない。
せっかく手にした上位表示がフイになってしまうかもしれません。
やはりサーバーが3日停止しただけあって、順位チェックをすると見事に下降しています。
ここから順位を元に戻すのはとても苦労しました。
次回は「1号機のトラブル」について書きたいと思います。
チャプター13.1号機の停電トラブル
こんばんは、1週間ぶりの更新になります。
裏DVDを販売しようと決めてから準備した、“ガサ入れ部屋”の1号機がしょっちゅう停電します。
電力が復活したら起動してくれればいいのですが、そうもいかないのが1号機。
1号機は遠隔操作でレンタルサーバーにアクセスするために準備したのですから、その1号機が停止すると、サイトの更新や相互リンク依頼などが出来なくなってしまいます。

もちろん注文メールも見れません。
一応他のフリーメールに注文は届きますが、お客に返信をしたり配送完了メールを送ることも出来ません。
この1号機、ボスの自宅から車で1時間くらいの所にあるらしく、即復旧とはいきません。
下手をすれば丸1日何も出来ない日もありました。
ボスが言うには、
「停電した」
とのことです。
そしてこの“ガサ入れ部屋”、かなり停電してくれます。
さすが隠れ家と言ったところでしょうか。
どうやら、マンション一棟が丸々停電しているようなのです。
PCはたった1分の停電でもシャットダウンしてしまいます。
その度にボスか誰かが、1号機を起動させに行くのを待つ必要がありました。
朝一に電話を入れて、夕方になってもアクセス出来ないので、またボスに連絡してみると
「忘れてた。ゴメン」
なんてこともあります。
「ボス、これが仕事ですよ!」
なんてツッコミを入れる気も起きません。
マイペースなボスです。
当然そんな日は、注文メールなどが鬼のように溜まっています。
それを処理するのに2時間はかかります。
お客とのメールのやり取りは、結構骨が折れるのです。
そして配送が遅れると、
「配送はまだですか?」
「いつ届きますか?」
なんてメールも届くので、それにも対応しなければなりません。
ボス達も一気に大忙しになります。
何せ毎日毎日、1日に数百枚ものDVDを焼かなければならないのですから…。
あまりに配送が遅れると、
「キャンセル」
と言われてしまう時もあります。
それも配送完了メールを送ろうとしたその時に。
まぁ送っちゃいますけどね。
代引きなので、受け取るか受け取らないかは運次第です。
とにかくよく停電した1号機。
逮捕前には、「引っ越そう」なんて案も真剣に考えられていました。
次回は「年末年始商戦」について書きたいと思います。
チャプター14.年末年始商戦
お久しぶりです。
12月にはボスと相談してクリスマスセールを行いました。
ミニスカサンタが写ったクリスマスセール用のバナーも作りました。
商品はそこそこ売れていましたし、スタッフも4人に増えていた頃です。
しかし、やはり世間はクリスマス。
裏DVDショップでもクリスマス商戦を乗り切りたかったんです。
常連さんだけでなく、『新規のお客様も獲得したい!』って気持ちもありました。
それにアクセスが増えると、Googleにも評価されやすくなります。
俺もう3日寝てないんだよね
そこで、1枚500円から350円に値下げしてみました。
もちろん、常連様にもメールを送ります。
またもサーバーの負荷が一気に増えましたが、それ以上に大変だったのが注文数。
鬼のようにまとめ買いをされるのです。
「ホントに無修正DVDなのか?」
なんて疑う数枚からのお試し客が減り、全て10枚以上にアップしました。
こうなると焼くボス達が大変です。
デュプリケーターやプリンターなどがフル稼働しているのは想像できます。
年末年始は、郵便局が数日休みで配送できない日がありました。
もちろんサイトには、
「●日から●日までは郵便局が休みのため配送できません」
と告知済みです。
そこでボスに
「正月休みどうしますか?」
と聞くと、
「●●君、俺もう3日寝てないんだよね」
とのお返事。
PCを見ると、確かに深夜も早朝も動いています。
ボスは、毎晩一緒に飲みに行っていた仲間から
「最近、飲みに来ないなあ。どうしたの?」
なんて心配されたそうです。
まさか、必死になって裏DVDを焼いているとは思ってもみなかったでしょう。
クリスマスセールが終わると、続いて初売りセールも
結局スタッフを増員しましたが、年末年始も休みが取れない状態でした。
それでも焼くのが追いつかず、商品の配送がかなり遅れてしまいました。
当店はあらかじめ焼いた商品を番号で分けて置いている訳ではありません。
また、衣装ケースにきちんと入れている訳でもありません。

原盤だけは、空になったDVDケースに入れて管理していました。

裏DVDをHDDの中に吸い上げて、注文があった商品だけをデュプリケーターを使って焼いていたのです。
これはとても手間がかかります。
資本金不足で、在庫を持つことを恐れていましたから。
今考えれば、焼いた裏DVDを衣装ケースなどで管理していたほうが確実に楽でした。
時々焼き工場に出向くと、裏DVDの量にビックリします。
数千枚の原盤は本当に多いです。

これまで宛名は手書きでしたが、とうとう伝票に印刷できるドットプリンターも購入しました。
ボスが
「腱鞘炎になる」
とあまりに嘆くので。
存在を知らなかったボスに驚きです。
ドットプリンターのセッティングも遠隔で行いました。
注文表から半自動的に印刷するスクリプトも書きました。
それでも商品間違いは起こります。
人数が増えるとミスも増えるのです。
電気もかなり必要とします。
どう考えても事前にDVDを焼いておいた方がコストパフォーマンスが良かった…。
クリスマスセールが終わると、続いて初売りセールも行いました。
「え~、初売りもやるの??」
なんて声が聞こえてきましたが、サイトにはしっかり告知バナーを掲載していました。
その間に僕は姫始めも終わらせました。
次回は「様々な問い合わせメール」について書きたいと思います。
チャプター15.問い合わせメールへの対応
裏DVDショップを運営していても、やはり問い合わせメールは来ます。
「●●って女優の作品はないのか?」
「配送が遅い」
「いつ届くんですか?」
「注文は確定していますか?」
「お前ら違法な物を販売していいと思ってんのか?」
「タイトルと中身が違います」
「見れません」
「相互リンクのお願い」
「ランキングサイト登録のお願い」
「配送を代行します」
「卸売りします」
「広告掲載しませんか?」
などなど、結構な数のメールが来ます。
事情を書いて、本音で返信する
アクセスと常連様が増えると、その分メールも増えていきました。
また、困るのが携帯での受信拒否設定です。
注文が決まると注文確定メールが送られるのですが、それを受信できない方がとても多い…。
同時に商品配送完了メールを送っても届きません。
基本的に代引きですから、局留め指定ならこちらも
「受け取ってくれるのかな?」
と不安でした。
でもそんな方に限って、
「いつ届くんだ!?」
なんてメールをくれたりします。
が、こちらからのメールは届きません。
また、「Userunknown(メールの宛先が不明)」なんて事はしょっちゅうです。
お客のメールアドレスが間違ってるんですね。
打ち間違いとイタズラ注文を防止するために、メール認証をしているサイトもありました。
しかし、メル友感覚で面白くメールをしていたお客もいました。
その方は、「無修正DVDを見た感想」を毎回送ってくれるんです。
僕は裏DVDを全て見ていますから(内容を忘れている作品も多いですが……)、それに対して返信をしたりします。
どちらにしろ、メールを送ってくれているのですから無視はできません。
「遅い!」
というお叱りのメールにもきちんと対応します。
「今注文が溜まっていて、●●様への配送予定は●日となっています。ホントにごめんなさい」
と事情を書いて返信していました。
あなたも経験はあるでしょうが、居酒屋で料理が遅いとイライラしますよね。
しかし、目の前で焼いてくれている「焼き鳥屋」ではどうでしょうか?
「まあ、仕方ないな」
と思うのではないでしょうか?
一番イヤだったメールは、要約すると
「組織対策課に知り合いがいるから連絡した。お前ら逮捕されるからな」
でした。
それもしつこく……。
売り上げがピークの時、逮捕される数ヶ月前の事でした。
そんな虚言を信じるほどお人好しではありませんが、やはり逮捕は免れないということを思い出させてくれます。
この方にもきちんと返信しました。
偶然にもIPから住所を割り出して。
この方、売れないFXの情報商材の販売者で、2ちゃんでバンバン宣伝していたので簡単に見つかりました。
その商材のセールスページをキャプチャして送りつけたらピタッと止まりました。
どうやらドンピシャだったようです。
いわゆるヤクザからのメールは一通も来ませんでした。
そんなに暇ではないのでしょう。
この件で学んだのは、
『お客のメールには本音で返信する』
ということです。
次回は「裏DVDを買う様々なお客」について書きたいと思います。
チャプター16.様々な常連客
裏DVDショップを長く運営していると、様々なお客が現れます。
- 毎週のように20枚ずつ買ってくれるお客
- 大量に買ってくれるお客
- リクエストをくれるお客
- メル友になりたいお客
- ブログのファン
大きく分ければこの5つのお客が多かったです。
①毎週のように20枚ずつ買ってくれるお客
もう完全にお得意様ですね。
安心して販売できます。
固定客は、新規客を得るよりも重要です。
アフターフォローも万全に行わなければなりません。
他社で購入したDVDが生焼けだったのでクレームを入れたことがありますが、残念ながらタダ良品が送られてくるだけ…。
せめてメッセージくらいは欲しいと思いました。
逆に納品書を同封してくれる丁寧な裏DVDショップもありました。
②大量に買ってくれるお客
「大量」ってどのくらいだと思いますか?
当店での1回の最高購入枚数は170枚。
500円×170枚=85,000円です。
さすがにこの時は、GoogleマップやGoogleアースを総動員して検索しました。
これがイタズラ注文だったら厳しすぎます。
ボスも
「イタズラだったら家まで行く」
なんて言ってたぐらいです。
こうなると、逮捕の恐怖よりもプライドが勝つのでしょう。
調べてみると、とある雀荘でした。
雀荘で売るつもりなのでしょうか?
しかし、そんなことは売り手には関係ありません。
170枚でもお客はお客。
配送完了メールを送ると、エラーは返ってきませんでした。
とりあえず、一安心です。
こちらでも追跡番号をチェックしていますから、受け取ったかどうかは確認できます。
配送日に確認してみると、無事に受け取ってくれました。
③リクエストをくれるお客
これも何度かありました。
女優名を忘れてしまいましたが、お客からのリクエストには99%応えていました。
「●●の裏DVDはないのか?なければ仕入れてくれ」
といった感じのリクエストです。
裏DVDと言っても、全AV女優の無修正版が出ているわけではありません。
「需要が1あるなら他も欲しい人がいる!」
という精神で必死に探していました。
フランスから購入したことがあるくらいです。
いや、イタリアだったかもしれません。
エキサイト翻訳に感謝です。
④メル友になりたいお客
しょっちゅうメールを下さるお客です。
月に1度購入してくれるのですが、メールを送信すると即レス。
内容は裏DVDの感想やら個人的な日記やら……。
毎回きちんと返信していました。
あのお客、元気なのだろうか…?
⑤ブログのファン
当裏DVDショップでは、ブログもきちんと更新していました。
SEO的にサイトを厚くして、内部リンクを充実させるためです。
なにせ貧弱でお金の無い裏DVD屋。
有料リンクなんて購入できません。
そのため、どうしてもサイト内でのSEO対策が必要だったのです。
当時のYahoo!にはとても有効でしたから……。
そのブログにも固定ファンがいて、よくコメントやメッセージを頂きました。
もちろん返信していましたよ。
番外編
電波系の方からのメールも時々ありました。
内容を要約すると、
・説教
・電話下さい
ですね。
これにもきちんと返信していた僕は律儀なんでしょうか?
チャプター17.顧客リストの管理
裏DVD販売サイトと言えども、お客は日に日に増えます。
しかし、逮捕を前提に運営しているので、顧客名簿は定期的に削除していました。
紙媒体にプリントアウトしている物は、入金が済んだ時点でボスが処分(きっとシュレッダーなんて使ってない)。
サーバーのショッピングカート内に残っているデータも不定期に削除していました。
どうしても削除できないのが、登録されている会員データです。
ウチは裏DVD販売サイトには珍しく、ポイントが使えますし、会員データはお客にとって次回購入時に役立ちます。
あなたも経験があると思いますが、住所や電話番号などを登録しておけば簡単に決済まで進めます。
入力の手間が減るアレですね。
これには売り上げが記録されていないので、
「まあ消さなくてもいっか」
と考えていました。
なぜ定期的に消していたかというと、摘発された時に売り上げをバレないようにするためです。
そのため、逮捕時のニュース記事には金額が少なく記載されていました。
それでも億ですが…。
もう1つは、お客に迷惑をかけないためです。
アドレスを売る裏DVD業者も実在していましたから。
裏DVDの購入専用アドレスを取得していたのですが、そこにスパムが届き始めることもありました。
どこかで流出していたのでしょう。
もしこの時に顧客リストを紙にプリントしてどこかに隠していたら、今日からまた営業を再開できるほどの人数です。
しかし、残念ながら一切残っていません。
残っているとすれば、ショッピングカートからの注文確定メールが届いていたGメールでしょう。
IDを忘れてしまってログインすらできませんが、その中に売り上げが全て残っています。
このIDはどこにも書いていないので思い出せません。
何せ逮捕までに証拠を消す時間があったので。
留置所で一緒だった「裏ブルーレイ屋さん」は、10年分の顧客リストを大学ノートに保存しているそうです。
そりゃあ、出所後にすぐ再開するハズです。
余談ですが、若い頃に一度刑務所生活を経験するのはお勧めです。
いや、「悪い事をしろ」と言っているのではありません。
「とても貴重な体験ができる」という意味です。
まとめ

既存客はとても重要です。
違法・合法を問わず、どのネットショップにも言えます。
妬み恨みで簡単に通報されるネット社会…怖いですよ。
末永く生き残る方法は、リピーターを大切にすることですね。
私はもうやる予定はありませんが、もし今後同じような事業をする予定がある人は、ぜひ意識してみてください。